平成20年6月議会一般質問


(1)名鉄西尾線・蒲郡線の存続のために
(2)中心市街地の活性化について    
 


 平成20年6月議会にあたり、私は、2議題を質問します。1議題目は、名鉄西尾線・蒲郡線の存続のために、そして、2議題目は、中心市街地の活性化についてであります。
いずれも、西尾市の今後の発展と大きく関わる問題であり、市として、真剣に取り組むべき課題ですが、まずは、1番目の議題「名鉄西尾線・蒲郡線の存続のために」から市長の施策・政策を質します。

 この4月、中日新聞の「庶民の足存続切望」という記事に多くの市民が驚き、不安を覚えたことと思います。名鉄が西尾・蒲郡線の西尾蒲郡間について、沿線自治体の2市2町に対して、今後の鉄道の必要性を示すよう申し入れてきている問題であります。
 名鉄の乗客数の減少は、かねて言われてきたことであり、この申し入れも、実は、平成17年からなされていたものです。この間に、ご存知のとおり、一昨年末には、1日の乗降客が300人に満たないという理由で、鎌谷駅、三河荻原駅が廃止されています。

 今こそ、名鉄西尾線・蒲郡線について、私たち市民の側も、行政の側も、双方が現状をきちんと把握し、存続のために何が必要かを考え、具体的な動きをつくり、具体的な提言をしていくべき、いわば正念場だと、私は考えます。

 さて、この6月29日に名鉄の新しい運行ダイヤが実施されます。それによると、名古屋までの利便性は、いくらか向上するようです。これまで日中毎時1本であった名古屋直通の快速急行が、毎時2本となり、乗車のチャンスが増え、使いやすさが増します。また、現在西尾止まりになっている名古屋直通の急行が、ほとんどが吉良吉田まで延長されることで、福地駅からも乗り換えなしで名古屋まで行けることになりますし、桜町前駅でも、急行が毎時1本から2本になって通勤通学の便は格段に高くなると言えましょう。今回、南桜井新駅など停車駅が増えても、ほとんど所要時間が変わらないのは、西尾・西尾口間及び桜井駅周辺の複線化による効果であります。

 しかし、利用者にとってマイナスの面もあります。これまでの全席指定の座席特急がなくなって、座席指定車が上下各1本に限られますので、途中駅から乗っても確実に座れるという利便性は失われることになります。
蒲郡線について言えば、吉良吉田駅で、すべて乗り換えとなり、別路線運行の度合いが、さらに強くなりました。また、名鉄は、近い将来、料金体系も別にしたいとも発表していますから、いよいよ蒲郡線切り捨てに向けて布石が敷かれたことが伺えます。

 市役所や議会の中には、鎌谷駅の廃止、路線の変更を名鉄の一方的なやり方であるとして非難する意見もあります。しかし、そもそもは、小泉政権が、届出さえすれば廃止ができることにしてしまった「規制緩和」という制度改革にこそ原因があります。ヨーロッパ各国と異なり、公共交通網整備に対して、国や県が責任を放棄してしまったことに、私は大きな疑問をもちますが、ここで、それを言ったところで現状は変わりません。 

 これまでのように名鉄を非難するだけでは、事態は決して良くならないのではありませんか。市は、名鉄各線について、利用者や沿線住民に対してもっともっと情報を公開し、交通弱者のために、鉄道をいかに存続させるか、市民を巻き込んだ大きな議論に発展させなければならないと考えます。
 三河線廃線の折は、終始、「やめないでくれコール」を続けるばかりの能のなさでした。廃止直前まで乗降調査をすることもなく、市として、どこまで沿線住民の意向を測ることができたのかとの悔いが残ります。鎌谷駅に至っては、廃止情報を得ていながら、地元住民、特に利用者には、なかなかその現状を知らせず、名鉄への形ばかりの要請に終わり、廃止に至った経緯があります。

 市の幹部や議会の中には、行政が一私企業に対し利益誘導や支援はできないという意見がかなり強くありますが、しかし、三河線のバス代替にも、岡崎や吉良町、一色町へのバス路線にしても、市から年間4千万円以上の補助がなされています。くるりんバスも同様です。また、欧州各国では、私鉄にも実に多くの援助をして、住民の足を守っています。それだけでなく、ドイツなどでは、道路上も、自動車より路面電車を優先させる施策を取っています。

 名鉄は確かに私企業ではありますが、少子高齢社会の今、住民の重要な足と考えるなら、市は、これまでのように手をこまねいていてよいはずがありません。名鉄三河線の廃止などからも、明らかなように、鉄路の廃止は「陸の孤島化」を進めます。地価が下がります。産業が衰退します。住民の転出が始まり、若い世代がどんどん市外に出ていってしまい、高齢化率がさらに上昇するという悪循環に陥ることは明らかです。先頃の調査では、西三河8市の中で、地価が下がっていたのは、三河線が廃止になった西尾市だけだったこと、皆さん、お気づきになったでしょう。実は、西尾市の衰退は、すでに始まっているといっても、過言ではないでしょう。市長は、まさか、このような衰退する西尾市を見たいと思ってはおられないと思います。

 私は、今こそ、市は、鉄道の必要性、有益性を市民とともに考える姿勢を示し、積極的な提言や援助を行うべきと考えます。折しも、国も、環境政策として、鉄道の価値を見直して始めてもいます。

 市長は、選挙公約で、くるりんバスなど住民の足の確保を約束してこられましたし、常々「三河湾時代」とも言っておられます。この「三河湾時代」が、空念仏に終わらないような積極的な答弁を求めるものです。

 それでは、具体的に、8項目について、提言を含めた質問をいたします。

質問要旨
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 西尾線の利用客増を図るためには、複線区間の延伸が必要と思われるが、市として、どのように働きかけていくのですか。

 新安城駅の乗り換え時の階段の昇り降りが、利用客増のネックになっていると思われますが、早期のエレベータ設置を働きかけるべきではありませんか。

 来る29日のダイヤ改正では、西尾線からは、確実に着席できる特別車が、ほとんど姿を消しますが、旅客増をはかるためにも、その復活を働きかける必要があるのではないですか。

 議員はもちろん、市長、職員の出張や通勤には、できる限り西尾線・蒲郡線を利用することを考えるべきではありませんか。

 高齢者・障害者に対して、市の負担で、西尾線・蒲郡線の無料乗車券もしくは割引乗車券を発行することを考えてはどうですか。

 蒲郡線や西尾線の西尾以遠の廃止がささやかれているが、もし、廃線となれば、幡豆3町や蒲郡市との交流が少なくなり、1市3町合併も、三河湾時代も実現が難しくなるだけでなく、西尾市の衰退につながると思いますがどうですか。

 西尾市の小中学校から西尾線・蒲郡線を利用した遠足、社会見学、林間、臨海学校を積極的に進めることも考えるべきと思いますがどうですか。

 近年中に引退が決まっている7000系パノラマカーや1000系パノラマスーパーなどを蒲郡線で動体保存し、将来的には、名鉄の車両博物館にすることを提言してはどうですか。


2.中心市街地の活性化について
 この17日には、1市3町の首長による「広域行政・合併懇談会」が開かれ、合併協議再開が決定したといいます。市長の積極果敢な答弁を期待して、次の議題に移ります。
 2番目の議題は、中心市街地の活性化についてです。

 長い長い間の懸案であった中央通りの拡幅が完了し、双方通行となって2年になりましょうか。しかし、道路は立派にできたけど、人はちっとも歩いていない、車はビュンビュンと通過するばかり。広く立派になったのに、寂しいよねえというのが、大方の市民の率直な声であります。中町通りも、拡幅されて立派な歩道もできた。見通しも格段によくなった。でも、静か過ぎる、空が高すぎるよねというのが、これまた、多くの市民の実感ではないでしょうか。

 不思議でならないのは、これら新しくなった街路に緑の木陰がまったくないことであります。どれほど歩道が広くなっても、街路樹が植えられないのは、市長、なぜですか。 
 西尾市を緑のネットワークで結ぼうという「緑のマスタープラン」は、平成7年策定されたものが、昨年さらに更新され、18年3月には、環境基本計画がつくられました。500万、600万と、お金をかけた緑化の計画書は次々につくられるにも拘らず、現実にまちの緑化がまったく進まないのはなぜかを、まずもって、一部の新聞から「やり手」だといわれている市長にお尋ねしたいと思います。

 井桁屋公園も完成しましたが、木陰はもちろん花もありません。プラスチックの竹垣に、これまたプラスチックの赤い傘で、潤いとは程遠いつくりであります。市長の唱える「おもてなし」は、このように薄っぺらい、まがい物の「おもてなし」なのでしょうか。人の姿を見るのはまれで、残念極まりません。

 「中心市街地活性化」とは、これまで耳にタコができるほど言われてきました。しかし、道路だけは、広がり、立派になりますが、人の動きが一向に見えない、生まれてこないのが現状であります。市民を散策してみようという気にさせるような道路、緑の木陰が熱い夏の日差しを遮り、そよ風が木の葉をそよがせるような道路、散策の途中で腰を下ろして休みたくなるような道路、そんな街づくりをこそ、市民は望んでいるのではないでしょうか。

 中村さんも、市長就任から、すでに3年が過ぎようとしています。
 昨年、私は、みどり川の遊歩道沿いにつくられている遊水池を子どもたちに開放し、水を流して、親水公園、水に親しむ公園にすることを提案しました。この遊水池は、平成12年に造られて以来、ずっと水は流されず、放置されたままになっているものです。
市長は、早急に検討するとおっしゃいましたが、どのようになりましたか。

 先月、「みどり川環境対策事業基本計画構想 報告書」が議員に配布されました。私も喜んで拝見しましたが、この遊水池に関しては、放置されている現状報告にとどまり、次の一手が見えません。報告書自体はとても立派なもので敬意を表しますが、「やり手の」市長には、できるところは、すぐ取り掛かる即断即決を示していただきたい。
 今年も、またすぐ夏がやってきます。今のまま、水さえ漏れないようにして開放するだけでも、子どもたちの遊び場になるのです。簡単なことです。やってみようとは思われませんか。

 平成13年に西尾市中心市街地活性化基本計画が策定されていますが、再開発ビルが消えて以来まったく、B地区にも何ら手がつかないまま今日に至っていますが、この計画の中でも、市民の要望として挙がっていたのは、やはり、緑のある公園、緑のある道路、緑のある街でした。
 そこで、私は、具体的に、4項目にわたって、市長の考えを質すものです。

質問要旨
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4)



 中心市街地活性化は「掛け声」ばかりで、実を結んでいるとは思えませんが、市長に、今後の策はあるのですか。

  四九朝市は、低迷の一途をたどっていますが、今後どのように進めるのですか。

  みどり川を親水公園にすれば、子どもたちが集まり、これにつられて親たちが集まって、市街地活性化が進むと思いますが、親水公園計画を推進する考えはありませんか。

  中心市街地の街路は、現市長になってから、拡幅とともに電線の地中化も進み、すっきりはしましたが、樹木が少なく、潤いに欠けます。街路樹やポケット広場を設けて、散策が楽しめる道路にすべきと思いますがどうですか。