平成19年12月議会一般質問


(1)入札制度の改善について    
(2)道の駅「にしお岡ノ山」について
(3)ガス管の安全安心な埋設について

 


 
はやいもので、今年も、師走議会を迎えました。中村市政となってから2年半が過ぎようとしておりますが、この間、市では、新庁舎建設を始め、本田市長時代には考えられなかったほど急ピッチで、数多くの施設建設事業が始まっています。たまたま、トヨタ系企業の順調な伸びがあるとはいえ、増税による市税増収分を、建設事業最優先で進めてしまっていることに多くの市民は疑問をもち、このままでいいのか心配もしていることを市長はご存知なのでしょうか。

 中村市長の最大の公約であった「行財政改革」は、まったくどこかへ消えてしまっていることを、私はかねて指摘をしていますが、市長はどうお考えなのでしょうか。現在、来年度の予算編成が行われていますが、一時の市税増収に酔い、このままの歳出増加を続けるのでは、累積赤字はまったく解消されず、子や孫にどんどん借金のツケをまわすことになることを改めて考えていただかなければなりません。

 市長の任期も折り返し地点に来ている中、行財政改革という、最大の公約が守られていないことに苦言を申し上げて、これに関わる、私の今議会での質問を始めたいと思います。取り上げるのは、3議題22項目です。まず第1に、「入札制度の改善について」、そして次に、道の駅「にしお 岡ノ山」について。最後に、ガス管の「安心・安全」な埋設について、以上3点です。

 「入札制度の改善について」、私は、先の9月議会にも、この質問をいたしました。
今年の春に行われた「消防はしご車購入」の指名競争入札に際して、落札業者が契約もしないまま辞退、結局、再入札の結果、最初の入札価格よりも格段に高い買い物となってしまった件についてであります。ところが、市の答弁は、悪徳業者による事件であり、市に落ち度はなく、市長および担当部局の責任も問わない、制度の見直しもまったく考えていないという、非常に当事者意識に乏しいものでありました。

 現在、全国の自治体では、入札制度改革によって落札価格の大幅な下落があり、また、談合の防止にもさまざまに知恵が絞られていることは、皆さんご承知の通りであります。名古屋市はもちろん、お隣の安城市でも、このところの落札率は8割といいます。それに引き換え、西尾市では、まったく、行財政改革はどこへやらどころか、市の入札制度自体が業者に馬鹿にされているとしか言いようがありません。

 9月議会では、応札保証金を予め納めさせるべきという、私の提案に対して、総務部長は「金融機関で業者同士が顔を合わせる危険がある」などという、まことに馬鹿げた答弁。保証金は、応札しようとする業者が定期預金などを担保とする銀行保証でも足りると、条例に規定があることも知らないという体たらくですし、昨年末の新庁舎建設にあたっては、談合で逮捕された業者を指名停止にすることもなく、そのまま本契約させたという悪しき前例もありますから、市民が「市は業者にバカにされている!」そう揶揄するのも無理からぬことと言えましょう。このままでは、市民は到底納得できるものではありません。

 市長は、早急に、入札制度の抜け穴を塞ぐ方策を講じるべきです。
 そこで、今議会では、私は具体的な改善方法を示し、改めて、市長の考えを質し、再考を促すものであります。質問は6項目です。市長は、責任回避することなく、真摯に入札制度の見直し策を示されるよう強く求めて質問に移ります。

質問要旨
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 先の消防はしご車の契約辞退によってこうむった市の損害額はいくらですか。

 その損害賠償の話はどうなっているのですか。半年以上たつのに解決できないのはなぜですか。

 この消防車入札のドタバタについては、落札後でも契約辞退ができるという制度に欠陥があるのではないですか。

入札は契約の申し込みであるべきで、入札後には申し込みの撤回はできない制度に改善するべきではありませんか。

 やむを得ず契約辞退を認める場合のためには、損害賠償の予定(違約金)の定めを整備するべきではありませんか。

 入札保証金は必ず取るようにして、落札後の契約辞退などがあった場合は違約金の担保となるようにするべきではありませんか。

 入札者が2者以上ない場合は、その入札は無効とし、やり直しをする制度に正すべきではありませんか。

2.道の駅「にしお 岡ノ山」について
名豊道路・23号バイパスは、名古屋・豊橋間を結ぶ産業道路であります。一昨年、ようやく、西尾から岡崎までの高架事業が完成したところですが、市はここに、道の駅を建設しようということであります。
 道の駅は、25年ほど前から、地方振興の一策として、全国各地につくられてきたところですが、非常に賑わっているところがある反面、つくったはいいが一向にはやらず、自治体のお荷物になっているところもまた数多くあるのが現実です。繁盛するかどうかは、立地条件が大きくものをいいます。観光地が近いことや、幹線道路沿いであることはもちろん、地元を挙げての出店であるかどうかも大事な要件でありましょう。

 
しかしながら、今の西尾市で、必要不可欠の施設なのか。利用者はどれほどあるのか。私には、まったく疑問であります。かねてから、この「道の駅建設計画」には、多くの市民から不要不急の施設との批判があります。「今さら、道の駅でもないだろう」、それも、税金を使ってつくるのかというのが大方の見方ではないでしょうか。私も、計画は凍結すべきと考えるひとりであります。

 国土交通省西三河事務所から、バイパス建設にかかる土砂の処理にからんで設置要請があったことは想像にかたくなく、国の休憩所・トイレの建設工事は進められてはおりますが、時代は変わっています。市長も替わっておられるわけで、この際、きちんと見直しをするべきなのではありませんか。

 2年前、当該土地の整地にあたっての予算審査においても、私は、計画の妥当性、市場調査の状況を質しましたが、その時点では、市側は、何と通行車両数の把握すらしておられなかったのでありました。

 今回、仮称・道の駅「にしお 岡ノ山」として、改めて、計画を推進すべく事業コンセプトなる文書が出されたわけですが、やはり、需要に対する市場調査がなされているとは思えません。昨年末から、西尾商工会議所や西三河農協、同漁協、観光協会など関係団体から8名、あとは、市職員6名が加わって研究会を立ち上げ、作成したとききますが、はじめに建設ありきでしかない事業計画であります。

 これまで、市は、同じような公設民営の形で、いくつもの施設を造ってこられました。
 中心市街地、特に、歴史公園に休憩所が必要であるとして、お休み処兼おみやげ品販売所「どっこい処」をつくり、数年後、民族資料館兼食事処として、尚古荘の隣に「伝想茶屋」をつくられました。いずれも、市外からの来訪者への休憩施設・みやげものの販売所として必要という理由でありました。

 ところが、「どっこい処」が営業していた期間は、4年ほどもあったでしょうか。経営は続かず、商工会議所が仲立ちをしたボランティアが交代した時期もほんのしばらくで、今や取り壊されて、影も形もありません。
 経営が続かなかったのは、それでなくても閑古鳥が鳴いていたのに、市が200mも離れていない場所に、さらに「お休み処・伝想茶屋」をつくったのが追い討ちをかけたこともなったのでしょう。
 伝想茶屋は、10畳ほどの2階部分を民族資料館と称して、大正から昭和にかけての生活雑貨類を並べ、1階部分では、西尾らしさを売り物とする食事処にするというコンセプトでしたが、やはり、これも年間600万円以上もの税金をつぎ込みながら立ち行きませんでした。現在は、高浜市の業者が入り、西尾とはまったく関係のない豆腐料理の店になってしまっています。民族資料の展示がなされていたのは、最初の2、3年だけだったのは、いかにも合点のいかない話であり、無計画のそしりを免れません。

 またもや、採算の見通しも立たないまま「最初にハコ物ありき」の建設計画では、到底、市民の理解は得られません。多額の税金を投じて行うべき事業なのかどうか、市場調査、出店見込みなど、市の考えを質すものです。

質問要旨
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  採算性について、もっときちんと市場調査をするべきではありませんか。

)  施設利用の対象者を地元周辺在住者1万人と数えていますが、半径何キロ以内ですか。数え方に無理があるのではないですか。                        

  1日の通行車両数を2万9千台と数えていますが、ほとんどが通勤や業務車両と思いますがどうですか。観光バスなど購入意欲のある車両をどの程度と把握しているのですか。

    出店者の見込みはあるのですか。建設して、引受け手がない時はどうするのですか。

    まず、施設建設ありきでは将来に禍根を残すことになりませんか。費用対効果の事前審査を行うべきではありませんか。どっこい処や伝想茶屋の失敗から学習していないのですか。

 4車線化、また観光バスの通行が一定程度に達するまで、計画を凍結するべきではありませんか。


3.ガス管の「安心・安全」な埋設について
 今年度になってから、市内各所で都市ガスの埋設工事が始まりました。これまで、西尾市では、プロパンガスが主流でしたが、いよいよ、都市ガスが進出してきたものであります。このこと自体は、時代の流れでもあり、都市化の一端という見方もありますので、私も、一定の理解はするわけですが、問題は、その安全性についてと埋設工事についての説明が充分に行われていないこと、復旧工事が不充分なことであります。

 下町周辺、平坂周辺はじめ、市内のあちこちで、ガス管埋設工事が行われていますが、
工事箇所が散乱し過ぎてはいませんか。いずれの場所も、下水道工事や道路整備が行われて間もないのに、またまた掘り返していることから、交通渋滞が続いています。加えて、通行車両にも、また、周辺住民にも、あらかじめの工事予告が充分でないことから、混乱に拍車がかかっているのではないでしょうか。

 そして、ようやく工事が終わっても、路面の復旧が充分でないため、市内のあちらでもこちらでも、つぎはぎだらけのデコボコ道路になってしまっています。これを無駄といわずして何を無駄というのでしょうか。市民から多くの苦情が担当課にも届いているのではありませんか。

 民間事業者の工事とはいえ、市では、道路管理者として占用の許可権をもって、道路管理を行っておられるはずです。市全域について、どこでどの程度の工事が行われるのか、事業者とあらかじめ調整をしておられるのでしょうか。事業者自体は2社といいますから、個々の工事請負業者ではなく、ガス会社との調整が必要と思いますがどうですか。

 市では、これまで、全庁型地図情報化システムを長年かけて整備してこられました。都市ガスはライフラインでもあるのですから、埋設の状況と工事計画、そして、その進捗については、この地図情報化システムで管理することは可能なのではありませんか。それによって、市の工事と合わせて行うことはできないのでしょうか。

 市民はそれでなくても、年中行われる工事に、また、掘っては埋めることの無駄に
うんざりを通り越して怒りを感じてます。電線地中化では、共同溝を埋設するのですから、少なくとも、ここでは工事を一緒に行うことは出来るのではないかと思うわけです。

 これからは、民間だから、行政だからという区別を極力減らして、私は、合同でできる工事は合同で行って、経費は按分するというような柔軟な考え方を採用するべきと考えます。これは、ライフラインだからこそ出来ることであり、必要なことではないかとも考えます。市の見解を伺います。

 また、言うまでもなく、わが市の地盤は軟弱で、地震発生時には液状化現象は必至といわれています。こうした状況に対しては、どのような対策が講じられているのかを伺います。いずれにしても、情報開示や、積極的な説明が不足していると思われます。
 市は、これらをどのように指導されるのかお答え下さい。質問は8項目です。

質問要旨
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 最近、市内の各所でガス管埋設工事が行われていますが、同工事では、どのような条件で道路占用使用を認めているのですか。 

 占用使用料はどのように定められているのですか。

 工事の掘り返しで、埋め戻した後も道路の路面状態の悪化がみられますが、どこまで復元するように求めているのですか。

 下水道工事や電線地中化で掘り返し、復旧されて間もない箇所にも工事がなされていますが、併せて実施することを考えなかったのですか。

 工事に際しての周辺住民への周知は不充分ではありませんか。

 埋設される、あるいはされたガス管はどのようなものですか。

 道路に埋設されたガス管に亀裂が入るなどしてガス漏れが起きるなどの事故がありますが、ガス漏れ対策は充分になされるのですか。

 西尾市内は軟弱地盤が多いですが、ガス管の地震対策はどのようになされるのですか。

  以上、市長は「もったいない」精神を肝に銘じて、ご答弁下さい。