平成18年9月議会一般質問


 この夏は例年よりさらに、厳しい暑さを感じる年でありました。
既にご承知のとおり、誠に不名誉なことで西尾市の名前が全国に拡がることになりました。教員による児童福祉法違反事件であります。子どもたちの人権を守る砦となるべき学校内で、教員によって子どもたちへの人権侵害が行われていたことに、すべての市民が驚きと怒り、そして落胆を感じています。早急に子どもたちの教育環境を整え、二度と再びこうした事件が起きないよう対処しなければなりません。市民は、教育委員会と市長の対応を注目しています。
 今9月議会にあたり、私は、この教員による児童福祉法違反事件に対する市の対策、
そして、かねて問題となっておりました錦城体育館に代わる新体育館の建設についての
2議題を質問いたします。
 まず、一番目の議題、教員の児童福祉法違反事件に対する市の対応について質問します
 本年6月18日、市内中学校の教員が女生徒に対する愛知県青少年保護育成条例違反
で逮捕された後、余罪が判明。別の複数の女生徒に対しても学校内でわいせつな行為をしていたうえ、ビデオ撮影していたとして、児童福祉法と児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反で、7月7日再逮捕されました。
 新聞報道によれば、この教員のこうした行為は、10年ほど前から他の学校でも繰り返されていたということであります。また、本年4月には、保護者から匿名で、教育委員会に当該教員の非行行為を訴える電話があったといいます。加えて、県警からの「学校の態勢がしっかりしていれば、被害は防げたはず」というコメントも複数紙で報道されていますし、私もそう考えます。
 まず、市長・教育委員長、教育長には、学校内での人権侵害事件によって被害に遭われた子どもたちにお詫びをしていただかなければなりません。また、動揺しているであろう多くの子どもたちには手厚いメンタルケアを要請いたします。
 そして、私は、複数の学校内で、かかる行為が長年にわたって行われ、チェックされることもなかったこと、そして、それが被害の拡大を招いたことについての管理監督責任を教育委員会と市長に問いただすものです。ポイントは3点あります。
 @     学校内での生徒に対する人権侵害であること
 A     先生と教え子という上下関係の支配的地位の立場を悪用した犯行であることから、被害者に対し支配・拘束性がより強いセクシャルハラスメントであること
 B     10年にもおよぶ学校内での教員の非行、児童ポルノの製造に、学校管理者がまったく気がつかなかったこと
まったくもって前代未聞の事件であります。形式だけの対策は許されません。
 起訴された内容について、教育委員会はさっそくに調査をされているものと思います。もちろん、子どもたちをさらに傷つけることのないよう、充分な配慮は当然ですが、こうした過ちを二度と起こさないためには、市民の皆が納得できる調査、すなわち、今回起訴された事件のみならず過去の事件についても充分調査し、それらを分析したうえでの具体的な対策、内容が提示されなければなりません。
 私は、動揺する子どもたちや保護者への一番確かなケアは、教育委員会の毅然とした対応であり、それら方策が間違いなく実施されることであると考えます。教育長は、3年間、当該中学校の前校長の職におられましたので、これを踏まえた対応を心しておられるものと考えておりましたが、8月28日に行われた県教育委員会の記者会見では、「調査は充分に行われているとはいえない」との県教委の見解が示され、これを聞いて、私の本日の質問は怒れる市民の声を代弁して、厳しくならざるを得ません。
 6月の、最初の逮捕から3日後の臨時教育委員会では、子どもたちの「心のケア」と「学校の信頼回復」に努力する旨の緊急アピールが出され、その後の校長会では、「教職員の不祥事防止」がいわれています。8月3日の定例校長会では、毎月1日を不祥事防止デーとし、20項目のチェックリストをつくって教員に自身らにチェックさせ、申告させるということです。しかし、このリストは、体罰や個人情報漏洩や金銭面での項目を含んだもので、わいせつ行為に関しては「個別指導の状況・子どもたちからエッチなどと呼ばれたりしてないか」など4項目に止まるのみです。
 これまでに示された対策は学校側の体面ばかり考えた、私から見れば、まったくおざなりなもので、具体性がなく、不充分なものとしか言いようがありません。子どもへの人権侵害との教育長・教育委員会の認識は極めて乏しく、そうした文言は一片も見られませんし、「不祥事」という言葉そのものが教育委員会という組織、もしくは教育長の立場からの捉え方で、児童・生徒の立場からのものではないことに、私は怒りすら覚えます。
 チェックリスト、不祥事防止デーなるものを耳にした保護者、一般市民は一様に「何、それ」と驚いていることを教育長はご存知でしょうか。教育界には、独特の庇い合いの体質があるという有識者の意見がありますが、今回ばかりは、それでは済まされません。
子どもたちだけでなく、現場の、特に男の先生方も動揺し、子どもたちへの接し方に悩んでおられると聴きます。教育委員会の責任は重大です。また、児童福祉法違反事件への対応は、教育委員会だけでなく、市長の責任でもあることをしっかり認識したうえで答弁していただきたいと思います。
 質問は9項目です。いずれも、市民に対する説明責任を果たす事項ばかりですので、誤魔化すことなく、きちんとご答弁下さい。

 

質問要旨
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      児童生徒へのケアはどのように行われているのですか。

      
      教育委員会として、どのような調査を行ったのですか。

      
      再発防止のために、どのような対策を講じているのですか。

      
      充分な調査を行わなければ再発防止策も考えられないのではないですか。

      
      今回の事件は「不祥事」という教育委員会中心の捉え方ではなく、「学校

      内での人権侵害」という生徒中心の方向から捉えるべきではないのですか。
      
      教育長自身に責任がある事件であるのに、教育委員会に充分な調査ができ

      るのですか。
      
      このような事件が校舎内で起きたことに対する管理監督責任は、どこに

      あり、どのように対処すべきと考えているのですか。
      
      市民の間には、教育長自身が辞めるべきとの意見がありますが、市長、教

      育委員会委員長はどう考えているのですか。
      
      これまで、児童生徒に向けた「性的な被害にあった時の自衛策」について

      取り組んだことはありますか。こうしたプログラムを積極的に取り入れる
      べきではありませんか。



 では、次の議題に移ります。先日、中村市長は、県の市長会でたいへん良い発言をなさっておられます。すなわち、市長は県知事の茶坊主になってはならぬということでございまして、私もその通りであると思います。振り返って、わが西尾市議会に当てはめれば、議会は市長の茶坊主になってはならぬということであり、私はかねてからの是々非々の立場で、この議題を取り上げたいと思います。
 錦城体育館に代わる新体育館の建設についてであります。昭和40年に建てられ、年間3万人以上の多くの市民から利用されてきた錦城体育館は、耐震改修とアスベスト対策にお金がかかるとの理由で取り壊し、それに代わるものとして、西尾中学校隣接地に新たな体育館が建設されるといいます。
 4000人以上の市民が、突然の取り壊し計画に驚き、6月議会には「市街地中心部に新たな市民専用体育館の早期建設を求める陳情書」が出されたところですが、私は、市長が、こうした市民の願いにどこまで応えられるのかをお訊ねします。
 ご承知のとおり、錦城体育館は市街地中心部の歴史文教地区に西尾市体育館として建設され、西尾駅からも歩いていける距離にあり、単なる体育施設というだけでなく、華道茶道や各種発表会等の文化事業にも使われるなど、市民に身近な施設として親しまれてきています。新たな体育館は、こうした利用・要素をも踏まえたものでなければならないと思いますが、いかがです。どこに、どのように、いつ建設されるのでしょうか。
 さて、平成4年に開設された鶴城体育館ですが、市民向けの地域体育館として建設されたものの、鶴城中学校の敷地内にあり、当初から、中学校との共用との位置づけになっていました。そのため、市民は中学校の生徒に遠慮し、また、学校側も利用に際しては、いちいち申込みが必要となるなど非常に使い勝手の悪いものとなってしまいました。なおかつ現在は、本来の中学校体育館が老朽化を理由に取り壊されてしまったため、鶴城中学校の専用体育館に等しい状況となっています。それでなくても市内では一番のマンモス校ですから、授業にも部活動にも、多くの利用があるでしょう。
 西尾中学校では、十数年前から体育館の建て替えを要望する陳情が出されています。同校の体育館は昭和44年の建設であり、錦城体育館の建設から4年後というだけですから、耐用年数は過ぎようとしています。西尾市地震防災計画によれば、来年度に耐震補強がなされるようでありますが、補強は補強でしかなく、耐用年数が延ばせるわけではありません。そこを誤魔化すようなことは許されないことを改めて申し上げておきます。
 新体育館は、西尾中学校と共用させるとの噂がありますが、そうなのですか。私は、市民が使う地域体育館は市民専用に設けられるべきであり、共用すべきではないと考えます。改めて言うまでもなく、学校体育館はきちんと学校敷地内に確保されなければなりません。学校体育館の設置は教育委員会の責任ではあります。現に、鶴城体育館がどっちつかずになった失敗例があるにも拘わらず、またも、共用を強行するとすれば、教育委員会は自らの責任を放棄することになりませんか。この点は重大であります。
 また、聞くところによれば、新体育館のための駐車場のために、中学校のテニスコートをつぶして充てようという話もあったようですが、まったく本末転倒も甚だしく、今回の錦城体育館取り壊しに始まった一連の計画がいかにお粗末極まりないものかがわかります。新体育館の駐車場は敷地内に充分確保できるのでしょうか。
 総合体育館は市街地中心部からは遠く、公共交通機関もありません。市民は、碧南市や安城市など近隣他市に比べて、専用で使える体育施設が少ないという劣悪な環境がちっとも改善されないことに怒っていることを市長はご存知ですか。昨年12月に発表された「西尾市スポーツ振興計画書」には、堂々、錦城体育館が中核施設として掲載されています。今回の騒動をみますと、こうした計画が空虚なものに感じられるという市民がいらっしゃることを、私は非常に残念に思います。そして、新体育館は、錦城体育館を現在の場所に建て替える形にして欲しいという市民要望も根強くあることを一言申し上げておきます。
 市長、教育委員会は市民、そして中学校の生徒たちを失望させることのないよう、誠実にご答弁下さるよう求めて、質問をまとめます。

議題2 錦城体育館に代わる新体育館の建設について

質問要旨
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      新たな体育館は、どこに、どのように建設されるのですか。

      新体育館は、市民専用の地域体育館との位置づけなのですか。

      西尾中学校とは共用するのか。共用するとすれば、どの程度なのですか。

      新体育館利用者の駐車場は敷地内に充分確保できるのですか。

      錦城体育館と比べ交通の便がよくありませんが、その対策は考えているの
        ですか。

      西尾中学校の体育館は昭和44年の建設であり、耐用年数を過ぎつつあり
      ますが、いつ改築するのですか。新体育館で計画が遅れるようなことはな
        いですか。