平成17年6月議会一般質問 |
議席番号9番 鈴木 規子
私は、本田市長最期の議会となる今6月議会では、まず第1に、介護保険の見直しについて、第2に遅々として進まない西尾市の道路整備について、そして、最後に学校図書館の充実と司書配置についての3議題を質問いたします。
16年間、市長ご自身が市民ひとりひとりの生活をどのように考えてこられたかを省みて、誠実に答弁していただくよう最初にお願いいたします。
さて、昨年から論議されてきた介護保険の見直しが、今、まさに行われようとしています。高齢者福祉の根幹をなす介護保険制度が、本当に高齢者自身にとって、また介護する家族にとってもよいものになるのか、多くの市民が注目しています。
ご承知の通り、今回の見直しの問題点は、利用者が予想以上に増え、介護保険財政が厳しくなったことへの対策が主である点です。厚生労働省は改正案の目玉を介護予防システムの導入としていますが、現在行われている要支援・要介護1の方々への在宅サービスを抑制する動きであろうことは疑いなく、介護保険法制定時の「在宅サービスを充実させ、安心して自宅で老いを迎えるため」という目的を逸脱することになりかねません。
反面、施設に入居しておられる方々に家賃や食費など一定の負担をお持ちいただくことは、同じ判定でも在宅の方との負担バランスの点から止むをえないものと考えます。ただ、所得が低い場合については配慮が必要なことはいうまでもありません。
いずれにしても、介護保険制度は各市町村が自分の地域に合った介護サービスを提供するべく、市町村でその内容を決めることができるとされているのですから、わが市でも、この点に充分に留意した見直しがなされるよう期待し、切望するものであります。
介護予防サービスには、軽度の要介護者向けの新予防給付と、もう少し元気なお年寄りを対象に新設する地域支援事業があるわけですが、改正案に挙げられている「介護予防マネージメント体制」の中心となる「地域包括支援センター」は、現在の市の体制の中で、どのように位置づけられ運営されるのでしょうか。責任主体は市町村で、保健師などがアセスメント・プラン作成・事後評価を行うとされていますが、本市の場合はどのようですか。
また介護予防では、いくつかメニューが挙げられていますが、筋力トレーニングについては導入に疑義が呈されています。まだまだ効果が検証されておらず、国会質疑ではモデル事業としてならともかく、制度とすることはかえって経費を増大させるとの指摘がありました。私も、新たにトレーニングマシンを入れ、専門職の個別指導をつけなければならないこの新規事業で、介護費用の軽減効果があるのか甚だ疑問をもつところです。また短期間の一時的な訓練で効果が持続するとも思えません。それよりも、これまで通りのデイサービスでの人との触れ合いを充実させる方がよいのではありませんか。あるいは、宅老所を充実させる方向もひとつです。
本市でも筋力トレーニングが一部でモデル事業として行われていますが、この点について、両者を比較し、より効果があるかどうかを見定めていく必要がありましょう。
介護予防については、それぞれの費用対効果を勘案しつつ、現在の本市での状況と需要に見合ったサービスが取り入れられるよう計画しておられるものと思いますが、いかがですか。また、サービスを受けるにあたっての移動手段もこれからの大きな課題です。できるだけ安価で使いやすい移動サービスを制度として確立していかなければなりませんが、どのように取り組んでいかれるのかお尋ねいたします。では、介護保険の見直しについて6点、質問に移ります。
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質問要旨
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地域包括支援センターの設置・活動は、本市の場合どのように考
えられていますか。
新たな「地域支援事業」はどのように行われるのですか。
「新予防給付」はどのように行われるのですか。
見直しによる介護予防策は、筋力トレーニング・転倒骨折予防、
認知症予防・低栄養予防・口腔ケアなどが挙げられているが、
本市の取り組みはどのようですか。
施設入居者の居住費・食費等の負担額は、本市の場合どのようで
すか。
各種の予防サービスに通うための高齢者の移動手段はどのように
確保されるのですか。
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議題2は、遅々として進まない西尾市の道路整備についてです。
わが市の後れ後れの道路整備を質問するのは、昨年に続く、その2であります。先に指摘した文化会館西側道路の渋滞解消については今年度予算に計上され、ようやく一定のめどが立ちましたが、西尾口線・鶴城町地内の変則道路のように、まだまだ積み残されたものがあります。市長の責任ある答弁を求めるものです。
南北道路や環状道路など幹線整備も必要ではありましょうが、現在そして、これからの財政難を考えた時、私は、もっと市民の足である生活道路に目を向けるべきではないかと考えます。安全で、かつ、安心して日々の生活を送ることのできる道路整備・歩道整備は、自治体の都市基盤整備の基本中の基本ではないでしょうか。しかるに、わが市の場合、道路の拡幅や延長は中途半端な形が多いのはなぜですか。また、主要道路には歩道の設置が欠かせないはずですが、歩行者の安全は置き去りにされています。市民は、すぐ行き詰まりになってしまう道路、そして、危険極まりない途切れ途切れの歩道、段差だらけの道路で我慢を強いられているのです。
私のもとにも「市に言っても、ちっとも改善されない」という市民からの声が度々届いております。市長は、こうした市民の声をどう聞いておられるのでしょうか。
さらに、市長自身が16年前の就任当初から改善を約束しながら、未だ手がつけられていない西尾口線・鶴城町地内の変則道路についてはどうなさるのですか。死亡事故が起きても、なお、知らん顔のままでの引退表明では、市民は到底納得できるものではありません。これら指摘を受けながら改善されないものについては、本田市長最期の答弁の機会であります。ご自身の明確な答弁を求めます。
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質問要旨
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2)
3)
4)
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熊味今川線・西尾郵便局より南の部分は、かねて周辺住民からの
危険との指摘にも拘らず、未だに歩道整備がなされませんが、な
ぜですか。
下町交差点、特に中畑・法光寺方向からの東行き直進と南行き
右折は渋滞が著しく、周辺住民の生活にも障害をきたしています。
拡幅し、右折車線を設置すべきではありませんか。
名鉄西尾線・桜町1号踏切は車両1台分の幅員しかなく、歩道も
確保されていないため、周辺住民は日々、危険を訴えています。
早急に改良すべきではありませんか。
市長は、かねて西尾口線・鶴城町地内の変則道路の拡幅正常化を
約束していますが一向に改善されません。このような危険な状態
をいつまで放置するのですか。
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議題3は、学校図書館の充実と司書配置についてであります。
ご承知のように、国では、平成13年2月施行の「子どもの読書活動の推進に関する法律」によって、読書を通じて、わが国の将来を担う子どもたちの教育環境を整えるよう定めています。同法第9条第1項にある自治体の責務を受けて、愛知県では平成16年4月に「愛知県子どもの読書活動推進計画」を策定いたしました。
これは県として、県内すべての子どもが自主的に読書活動を行うことができる環境を整備することをめざし、今後の県内における子どもの読書活動に関する施策を総合的に推進するための指針を示したものでありますが、同時に、同法第9条第2項に基づいて、県内市町村にも速やかに、子どもの読書活動推進計画を策定するよう求めたものです。
県の計画は、@家庭・地域・学校における子どもの読書活動の推進、Aそのための環境の整備・充実 Bそのための理解と関心の普及 C同じく推進体制の整備・充実という4つの基本目標を掲げた、平成16年からの5年間、すなわち平成21年を目標達成年次とする中期計画であります。
この中で学校図書館に関する部分を見てみますと、基本目標1に学校等における子どもの読書活動推進、そして、基本目標2に学校図書館の内容の整備・充実、公立図書館との協力・連携が示されているわけでございます。
さて、このように指針が示される中、県教育委員会では昨年12月に87市町村に対して、計画策定についての状況調査を行っております。この調査によれば、既に田原市と額田町が策定し終え、市民に公表しています。そして13市町が具体的に策定作業を進め、西三河8市では岡崎市・碧南市・安城市・高浜市が策定中ということであります。ちなみに、3市が市立図書館を担当部署とし、高浜市も図書館の方向で検討中だそうです。
わが市においては、どのような予定なのかをお尋ねいたします。
国語の乱れは国の乱れと申します。昨今の日本語の乱れは著しく、この場におられるすべての皆さんがこれを憂いておられることと思います。美しい日本語は幼い頃から、そうした言葉を耳にし、また、口にする、読むことから育まれます。そうして培われた国語力はすべての学習の基礎となることは言うまでもありません。学習指導要領にも示されている「自ら考え、生きていく力」を育成するために、国が改めて、先の法律を定めたことに頷かざるを得ません。
市長、教育長には、こうした状況を充分に理解し、県内でも早い段階で学校図書館に司書を置かれたことには、大いに敬意を表するものでございます。
2名の学校司書さんは本当によく頑張っておられ、本はキライとかマンガしか読んだことがないという子どもたちには「本って以外とおもしろいんだ」というきっかけ作り、本が好きな子へはどんどんその先に進める働きかけをしてみえます。新たな発見をした時の子どもの輝くような笑顔は、皆さんにも思い浮かべていただけるものと思います。
総合学習や教科の授業に直接、間接に役立つ資料・本を探し、提供して先生方をサポートし、絶対評価の導入などで忙しい先生方にとても喜ばれていると聞きます。これは、専門・専任の「人」を置く大きな効果であると思います。保護者でもある図書館ボランティアの皆さんからも高い評価を得てみえると伺います。
子どもたちからも先生方、図書館ボランティアの皆さんからも高い評価を得てみえると伺います。私も学校におじゃまする機会があると、できる限り図書館を覗かせていただくようにしていますが、人がいて、子どもたちが行きかう図書館はこんなにも活き活きするのだということに驚きます。年間48万円という報酬のなかで規定以上の時間を勤めて下さるのは、子どもたちの笑顔と意欲が励みになるからとのことですが、感謝しつつも、そのハードワークは気にかかるところです。
配置から2年が経過しました。私ひとりが感じるだけでなく、その効果には一定の評価が定まったことと思います。その明らかな現れは、17年度西尾市小中学校長会からの教育予算要望書に「学校図書館の整備と充実」が挙げられていることでしょう。
5項目からなる要望には、各学校1名の専任司書の配置が挙げられ、蔵書・資料充実のための予算増額、市立図書館と学校間のオンライン化と巡回車による貸し出し・返却のシステム化、図書館のコンピュータ化・データベース作成費の充実などが並んでいます。まさに、県の子ども読書活動推進計画が求めている、より良い読書環境・学習環境の整備と合致しております。これら現場の先生方の声に応えるためにも、西尾市子ども読書活動推進計画を早急に策定し、実現をはかるべきであります。
お金は活きる時に、活きた使い方をしなければ意味がないと考えます。今、使うべきは教育、わが市を将来支えてくれる子どもたちへの投資であります。
市長の積極的な答弁を求め、質問をまとめます。
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質問要旨
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本市における「子どもの読書推進計画」の策定はどのように行わ
れるのですか。
学校図書館司書加配を進め、学習効果を高めるべきではありませ
んか。
市立図書館と学校図書および司書との連携が重要ですが、どのよ
うに進められているのですか。
学校図書館の蔵書のデータベース化の進捗状況はどのようですか。
市立図書館の蔵書データとのネットワークはいつ完了する予定で
すか。
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以上3議題14項目です。市長のお考えがわかる答弁を重ねてお願いして、私の登壇での質問といたします。
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