平成16年12月議会一般質問

                                                                     
                                                                 議席番号9番 鈴木 規子

 平成16年もいよいよ押し詰まりました。12月議会を迎え、私は、新年度の予算編成方針、駅西再開発、「子どもの居場所づくりプラン」と「学童保育」についての3議題を質問いたします。
 来年度は、いよいよ本田市長の今任期最終の年になります。これまでの市長の公約はどのように達成されるのか、市民にわかりやすく示していただかなければなりません。
 議題1は「予算編成方針について」です。市長の次年度へのお考えを具体的にお聞かせ下さい。
 先に発表された「予算編成方針」ですが、重点施策についての記述もなければ、遂行する具体的な方向性、内容がなく、16年の丸写しでしかありません。
 変わっているところといえば、予算要求と歳出予算についての「予算総額前年比97%以下に抑制」となっていた部分が、「前年度当初予算程度」となっただけですが、これは、国が、昨年は前年比97%減を示していたのをそのまま入れ込み、今年はその数字がなくなったらなくしただけのことであり、加わったのは「民間活力の導入」という文言のみという主体性のなさです。
 西尾市として財政面で、また施策の面で、どのように次年度を組み立てるのかという視点がまったく見えないわけです。
 私は、平成13年12月にも市長の予算編成方針についてお尋ねしました。市長が市政運営において、何を重点項目として考え、それを実行に移されるのかをきき、市長のリーダーシップを求めたものです。その時の答弁で、市長は、私の求めるところに一定の理解を示し、予算編成方針のあり方を検討するともおっしゃったわけです。にもかかわらず、任期最終年になっても、まったくそれが現れず、市長の顔は見えないままです。
 任期は9月まででありますから、骨格予算であるのはやむを得ないとはいうものの、
予算編成方針は、予算要求基準表ではありません。次年度、わが市が市政のどこに重点をおき、どのように施策を進めるのか、市長の方針を示したものでなければならないはずです。
 先週末、一応の決着をみたとはいうものの、三位一体改革が混迷を深めている今、各種補助金のゆくえは流動的であります。国の教育予算、福祉予算が多く削減対象となるつつある中で、市としてはこれまでにも増して、使うべきには使い、削るべきは削る、断固とした方針が必要です。その大枠をつくる予算編成の時点で、市長自身が方針を示さずに誰が示すのですか。
 10月25日、新潟県では中越地震が発生し、多くの住民の生活が奪われました。本市からも早々に防災室長を筆頭に土木課・下水道課をはじめ9名の救援隊が派遣され、被害の模様が報告されたところです。現場は、テレビ・新聞等にも増して悲惨な状況で、災害弱者の把握と支援体制、市役所機能確保のための創意工夫がさらに求められることがわかりました。非常用電源の確保から職員間の連絡体制、幹線道路だけでなく、生活用物資輸送の道路確保の重要性など、これまで見えなかったものが数多くあったようです。マンホールが1m近く持ち上がった流動化現象は、西尾市の場合、全市域で発生するものと思われ、今後の防災対策はさらに全市を挙げて実施しなければならない最重要課題であります。
 言うまでもなく本市では三河地震・東南海地震を経験し、かねてから地震防災対策の重要性が指摘されてきたところですがなかなか進まず、ようやく今年度つくられた防災計画も、全小中学校施設の耐震化にすらめどが立っていないのです。
 こんな状態で、市長は市民の生命と安全を守れるのでしょうか。4期16年、市長はその責任を果たしてきたといえるのでしょうか。
 安城市、刈谷市、碧南市、近隣の自治体ではめざましい発展がみえます。避難拠点の学校施設の耐震化はほぼめどがたち、コミュニティーセンターも充実され、各種市民サービスが向上しています。西尾市の活気のなさは、市長のやる気のなさそのものという市民の声もあります。そんなことはないとおっしゃるなら、そうでないよう、はっきり市長の姿勢を市民にみせていただかなければなりません。
 では、具体的な質問にうつります。


質問要旨
1)

2)


3)


      平成17年度予算編成の最大のポイントは何ですか。

      市長は、歳出予算については単に削減・努力目標を示すだけではなく、市
      の重点施策をどう進めるかの方針を示すべきではありませんか。

      市民要望が最も高い「防災」をこそ最重要課題と位置づけた予算編成方針を
      示すべきではないのですか。



 議題2は、駅西再開発についてです。
 県道はようやく直線化され、先月12日に通行開始となりました。ところが4期16年、市長が掲げてきた駅西再開発は、本年3月の実質的な再開発組合破綻によって事業はストップしたまま、はや8ケ月が過ぎました。
 この間、市民にも議会にも、市長自身の公式な見解は示されないまま無為に時間だけを経過させておられます。あれほど派手に打ち上げた再開発事業は何だったのかという市民の声は当然です。
 先週11月26日、当初予定の議会運営委員会を変更して、議員全員協議会が開かれました。3月以降、機能停止状態だった駅西再開発事業の計画変更についてが議題でしたが、結局、市長からはこれまで以上の説明も、計画変更の方針も示されないままだったのはいかにもお粗末としか言いようがありません。
 しかし、おとなしい与党会派のみなさんはともかく、市民は、県道直線化の後、西尾の玄関口がどうなるのか、このままさらに税金の投入が続くのか、ずっと心配し続けています。市は、財政削減・行財政改革をいいながら、その一方で、あまりにも無責任、野放図に過ぎるではないかと多くの市民がおっしゃいます。
 これまでの事業計画がご破算になったのは、明らかに市長の失政であります。市長は率直にこれを認め、市民への説明責任を果たすべきではありませんか。そして、その上で、自分がこの問題を解決するのか、ウヤムヤにして逃げるのか、はっきりさせるべきであります。
 政治生命をかけると言ってこられた事業にもかかわらず、重大な局面での判断を避け、いつまでもズルズル引っ張るだけで何もしないのは、さらに事態を悪くさせます。実際、今までがその連続だったではありませんか。
 3月の組合破綻から8ケ月、国・県との調整を理由に、6月9月の2度の議会も、市長は議会と市民の声をきくと言いながら何もせずに過ごしてこられました。しかしながら8ケ月という期間は、計画変更、責任の取り方を熟慮するに充分な時間であります。市長としての責任ある結論を市民にお聞かせいただきたいと思います。
 議題2、駅西再開発について。

質問要旨
1)


2)



3)




4)


5)


      市長は、一人組合となって組合事業を行っていくと9月議会で言われまし
      たが、他の組合員と合意は出来たのですか。

      組合の借入金を肩代わりし、組合員の権利変換分の床を買い上げると合計
      で市の支出は16億円と9月議会で言われましたが、この金額に変更はな
      いのですか。

      市長の考える計画変更はどのような内容ですか。市長は9月議会で、今後 
      は、市民の意見を聞いて決定していくと表明されましたが、これまでにど
      のように意見を聞いたのですか。

      最終的に市が出す事業費は、これまで上限としてきた65億円でまかなえ
      るのですか。

      計画変更案はいつ市民に示すのですか。市長の任期中に示せるのですか。



 では、3つめの議題「子どもの居場所づくりプラン」と「学童保育」の連携について
にうつります。
 学童保育については、皆さんご承知のように98年の児童福祉法の改正によって、国および地方自治体が児童の育成に責任をもつことが義務づけられたことから、放課後児童健全育成事業として進められています。
 共働き、ひとり親家庭など学童期の子どもたちの生活を保障する学童保育は、働く親が増えている現在、ますます必要性が高まっています。政府は学童保育を少子化対策推進基本方針・新エンゼルプランの重点項目として挙げていますし、小泉首相自ら「学童保育を増やして、必要な地域すべてに放課後児童の受け入れ体制を整備する」と明言しています。
 わが市においては、中央児童館、寺津公民館、米津児童館、花ノ木小学校、平坂小学校の5ケ所で、全小学校区での実施には程遠い状況です。16年度については、このほどようやく調整がついて、今月から三和小学校で始められるとのことですが、今後の計画はどのようかお尋ねいたします。
 法改正から4年、近隣の碧南市では7ケ所、刈谷市では15ケ所と既に全部の小学校区に児童クラブとして、受け皿が設置されており、安城市でも今年度中に一挙に5ケ所を整備、17年からは19小学校区全部に公立の児童クラブができるとのことです。受け入れ数は、碧南が330、刈谷が600、安城が580人であるに比べ、わが市ではわずか60人でしかありません。
 少子化対策、子育て支援が国を挙げての緊急課題といわれるなか、学童保育について西尾市が極度に立ち遅れていることは、多くの市民からも指摘されているところですが、
この数字をみれば、わが市がいかにも子育てに冷たいと言われるのも無理からぬことです。
 かねて市長は、1年に1ケ所ずつ学童保育所を増やしていくと言ってこられたわけですが、一昨年の花ノ木小学校は体育館脇の和室、平坂小、三和小とも学校の空き教室、教育委員会では余剰教室というようですが、学校内で行われるようになりました。
 しかし、1・2年生を少人数学級とする中で、今後、この余剰教室が確保できるのでしょうか。現に花ノ木小では、来年からは部屋が足りなくなる虞があると聞きます。
また、議会答弁では、かねて需要が高いといわれてきた矢田小、そして八ツ面小、鶴城小校区が依然、未整備のままです。
 これらの地域は新興住宅地でもあり、子どもの数自体が増えていますし、共働き家庭も多いと聞きます。矢田保育園はマンモス化が問題となっていることは、言うまでもありません。市長は、学童保育の手詰まりをどう解決されるのでしょうか。
 私はこれまで、公民館など公的施設建設にあたっては、子どもからお年よりまですべての地域住民が公的サービスを受けられる場所、地域のコミュミティーセンターとなすべきと提言してきました。すなわち、学童保育であり、宅老所であり、市役所の支所であるという複合機能をもたせることであります。
 ところが、市長は、何故か、コミニュティーセンターは寺津公民館が最初で最後として、1館2億円もの市民の税金を投入しながら、すべて貸館でしかありません。せっかく学校の近くにあっても生かされていないのです。
 私から申し上げれば、市長は打てる手を打ってこなかったのです。しかし、このツケを子どもたちに回すことは許されません。
 厚生労働省だけでなく文部科学省でも、学童保育の整備を指示しています。
 放課後の「子どもの居場所づくりプラン」として、低学年だけでなく6年まで全学年の子どもたちに対して、学校内で、安心・安全な遊びと学びの場所を提供しようという事業ですが、県内では、名古屋市がトワイライトスクールと名づけて行っています。平日の放課後、土曜日や長期休業中に特別教室を含む学校施設を開放し、地域ぐるみで子どもたちを育てようという取組みで、江戸川区など多くの自治体では、学童保育と合体させて行っています。
 学童保育については、児童課が所管となっている自治体ばかりではありません。岡崎市のように教育委員会が対応している自治体もあり、加えて、この文部科学省の方針は、保育園の延長保育のように、子育て支援学校の役割が「授業」だけでなく「子どもの生活」をの間だけではなくなり、っているという昨今の社会情勢を表したものでありましょう。
 西尾市でいえば、これまでのような、縦割り行政の中の、単なる「連携」に止まらず「放課後をひとりで過ごしている子どもたち」をどう支援するかという視点で、施策自体を、改めて捉え直さなければならないものと考えます。
 先日、私は「教育改革」で全国に名を馳せている志木市教育委員会の金本次長のお話を伺いました。志木市では「ここで子どもに教育を受けさせたい」という若い親たちが他市から続々と移り住んできているといいます。教育に力を入れるということは、自治体としての独自性を発揮することであり、納税者として良質な市民を増やすことにもなるのです。
 市としては、次世代育成支援プラン策定のさなかでもあります。市長は、子育て支援として欠かすことのできない学童保育をこれからどのように整備していかれるのか、お尋ねいたします。施設でいうならば、新たな整備を含めて学校内でまかなっていくのか、学外の公的施設を考えていくのか、積極的かつ具体的な答弁をお願いいたします。

質問要旨
1)


2)

3)


4)


5)



6)


      学童保育は、小学校区に1ケ所ずつ増やしていく計画となっているが、
      いつまでに全学区に設置できるのですか。

      現在、空き教室を使える小学校はいくつありますか。

      少人数学級実施で学級数が増加し、空き教室が不足した場合、現行の学
      校内での学童保育所はどうするのですか。

      教室が不足して学童保育ができないというなら、場所が確保できるまで、
      暫定的に公民館など公的施設を有効活用すべきではありませんか。

       現在実施中の「サタデープラン」を一歩進めたものとして、文部科学省
               が推奨している「子どもの居場所づくりプラン」を西尾市も推進すべき
               と思いますがどうですか。

      児童課の所管の「学童保育」と、文部科学省が学校内の多目的教室などを
      活用して進めている「子どもの居場所づくりプラン」とを連携させるなど、
      児童課と教育委員会がもっともっと協働する必要があるのではないですか。