平成16年6月議会一般質問

                                                                 議席番号9番 鈴木 規子

 風さわやかな季節が巡ってまいりました。しかし、わが市においては、一向にすっきりしない問題が立ちはだかっています。いわずと知れた駅西再開発問題であります。計画が具体化してから7年、本来でいえば、事業完成の年である今になって混乱の極みに達していることは、ご存知の通りです。
 これまで30億円近い血税が投入され、市長は政治生命をかけると大見得を切ってこられた大事業であります。
 今議会にあたり、私は「駅西再開発の大幅見直しについて」、最高責任者としての市長の見解をお尋ねいたします。合わせて、市民世論調査で毎回要望の上位にあがる「緑化」についての2議題を質問いたします。
 市長の明確な意思をお示しいただきます。
 平成11年3月1日号の広報にしおで、華々しく「駅西再開発計画」が示されて早や6年。翌12年の3月以降、この計画の詳細が再び広報の紙面に載ることはないまま迷走を続け、本年3月の議会では、5名の再開発組合から名鉄東部交通始め2名が脱退し、立ち行かなくなったとの発表でした。
 しからばこれからどう対処するのかでありますが、問題はさらに、二転三転の様相で、らちがあきません。市長は、駅前という「西尾市の顔」をいったいどうするお考えなのですか。
 3月議会一般質問の答弁では、第1種の組合事業としては無理でも再開発事業そのものが破綻したとは考えていない。市がひとりの組合員となっても事業は進めていく。現時点では、県道直線化、駅前広場、防災広場を行っていき、建物自体を最初から考え直すことになるだろうとのことでした。
 そして、3月11日に行われた建設部会では、権利者が市に売却しよういう場合、権利床は総額で27億円。うち国・県の補助金が11億円。したがって、市は、差し引き16億円を負担することになることを明らかにしておられます。
 さて、3月22日、3月議会最終本会議終了直後、全員協議会が召集されました。これは、議員が全員参加するものでありますが、議題は、駅西A地区再開発についてというものでした。本会議の出席者と同じ顔ぶれに、再開発組合理事長とコンサルタントの東畑事務所が説明員として加わったということです。
 そこでは、本会議と同じく、今後が困難だとの説明が繰り返された挙句、それも終盤になってから、いや、実は撤退分の床取得を希望する法人がありますというのです。そうした希望者が出現すること自体は結構なことではありますが、しかし、最終本会議終了直後の報告です。市民に対して、いかにも不明朗であると言わざるを得ません。
 権利変換が行われた時点から、再開発事業が組合施行のものになったことは
私も承知をしています。けれども、市は、計画全体を所轄し、国・県との窓口として、この事業を遂行してきた立場と責任があります。(新たな参画希望者はゼネコン関係者とも聞きます。)「組合責任論」を隠れ蓑にして、総額80億円もの事業がのるかそるかの重大決定を任せっぱなしでよいのですか。組合の、その後の交渉をどう把握しているのですか。
 莫大な税金を投入してきた事業です。ここまでの顛末を見る限り、私には、まったく何の変更もせず進展するとは思えません。どのように修正をかけていくのか、また、進行いかんで、よくも悪くも、さまざまな可能性が発生するものと考えられます。当然ながら、それらケース毎に、市としての対応策・経費計算がなされていなければなりません。
 2月20日に2名の撤退が決定した時点から既に4ケ月、市は組合とは別に、再開発計画本体の事態収拾策を講じてこられたはずであります。
 再び不測の事態などというみっともない言い訳は許されません。市長自身はどのように大幅見直しの構想を持っておられるのか、市民への説明責任を果たしていただくべく、次の6点についてお尋ねします。

議題1 駅西再開発の大幅見直しについて

 
質問要旨
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      3月22日最終本会議終了後の全員協議会で、「東京の業者から床
      取得の引き合いがある」との説明でしたが、その後の進展はどの
      ようですか。

      3月議会答弁での「市がひとりの組合員となっても組合事業とし
      てやっていく」というのは、市が全部の床を買うということです
      か。

      撤退者の分も含め、地権者の権利床をすべて買っても、市は計画
      をすすめると聞くがそうですか。その場合、市の負担はさらに
      16億円増えると聞くがそうですか。

      見直しをかけても市の負担は上限32億円と言ってきた市民との
      約束はホゴになるのですか。48億円に膨らむということですか。

      建設する建物を、床が売れる可能性の高いマンションに切り替え
      ることを考えませんか。

      計画を変更しないなら、市長は、責任をもって権利床の買い手を
      探すべきではないのですか。


市長が政治生命をかけておられるはずの再開発事業であります。任期をあと1年に残す今、どういう形で責任の所在をはっきりさせるのかをお示し下さい。
 2つめの議題は、緑のまちづくり・街路樹の育成についてであります。
 冒頭でも申し上げたように、市民世論調査では、力を入れてほしい施策で、常に上位に挙がるのが緑化対策です。14年度調査では第2位、29.3%でしたが、第3位の環境保全は24.7%ですから、このふたつを合わせると、第1位の高齢者福祉46.9%を抜く54%となります。
 多くの市民が、住みよいまちの要として、いかに緑を求めているかがわかります。都市景観はもちろん、次世代の子どもたちのための場、憩いの場、癒しの空間、そして防災空間として、また、今日では、ヒートアイランド現象や地球温暖化への対策としても、市域面積の中に、いかに緑をたくさん取り入れるかは大きな課題です。
 わが市でも、第5次総合計画、第1節ゆとりとうるおいのあるまちづくりの中で、「緑と文化の回廊づくり」と銘打って、「公園面積を市民ひとり当り10平米とすることを目指す」また、「幹線道路の歩道植栽を図るなど、市域の拠点公園を結ぶ緑のネットワークづくりを推進する」とあり、積極的な整備に努めるとしてこられました。
 また、平成7年策定の「緑のマスタープラン」では、都市公園等の施設として確保すべき緑地の目標水準を定めており、平成7年当時は、市域全体で47.8haの公共施設緑地を、平成17年には120.3haに増やす計画となっています。第5次総合計画も満了まであと1年。これらの計画の進捗状況はいかがでしょうか。お尋ねいたします。
 ところで、この写真をご覧下さい。
 先週、駅東広場・駐車場の南側の街路樹を写したものです。スズカケノキの一種でしょうか、アメリカフウとありますが。向かって右側、駐車場側の木が大きく繁っているのに比べて、左側の歩道に植えられた方が格段に貧弱なことがお分かりいただけると思います。同じ時期に植えられた同じくアメリカフウです。
 なぜ、こんなに違いが出てしまったのか。それを示すのが、この写真です。
昨年10月の、剪定後の写真ですが、ものの見事に芯となる幹までバッサリ伐られ、丸坊主にされてしまっています。駅東線は、ご承知の通り、大変な費用をかけて整備された幹線道路で歩道幅も広く、電線も地中化されていますから、大きく伸び伸びと繁らせこそすれ、丸坊主にする理由はないはずです。

 なぜ、このような剪定をされたのか理解に苦しむわけです。
 ここだけではありません。西尾市内どこをご覧になっても、街路樹はほとんど例外なく、このように無残な形に剪定されていることは満場の皆さんがご存知でしょう。
 私が西尾に住むようになってから20年以上たちますが、柳町と、町内会名にもなっている西尾一色線の柳は、木というより単なるかたまり、オブジェのまま20年、それ以上が経過していますし、多くの街路に見られるニセアカシアは、10年経っても20年経っても、まったく枝が張らず、高さも3mあるかなしかです。もともと根を張らない性質の上、さらに上も横も伐られてしまうので根も伸びず、ほんのちょっとの風で倒れてしまいます。
 聞くところでは、台風の前に、倒れないようにとの指示での剪定といいますから、ちょうど木陰が欲しくなる夏の盛りに丸坊主になるという悪循環です。市民がみな嘆くはずです。これはもう木の選び方自体にも問題がある、象徴的な例といえます。
 何ともったいない話ではありませんか。街路事業費だけでみても、植栽にかかる費用、維持管理費と毎年2000万円以上の費用をかけて、残るのは街路樹ではなく、「棒っ食い」です。
 市役所北駐車場のケヤキは、今年で8年ほどになるでしょうか。立派に伸びて、涼やかな木陰をつくっています。こういう木陰を、市民の近くにこそ提供すべきではありませんか。緑の並木は市民の財産であると考えないのですか。
 岡崎のたつみケ丘、豊田市駅前のケヤキ並木は、ビルの2階3階の高さにまで伸びています。豊橋の国道1号線沿いでは、信号機の方が街路樹に遠慮して取り付けられています。どこも電線がありますが、きちんと被覆がされています。よそのまちではできることが、なぜ、西尾ではできないのか。私は不思議でならず、この素朴な疑問を3年前の予算委員会で質しました。
 検討する、ハバリも広くとるようにすると言っておられた。しかし、今年もまた、何の障害物もない所ですら、お見せした写真の通りです。

 質問項目の3、4、5は、その予算委員会での質問と同じものです。改めてお尋ねします。緑化は都市景観に風格を与え、土地の資産的価値も高める、まさに市民の財産であります。よもや、このままでいいと考えておられるわけではないと思います。「街路樹を整備して緑のネットワークづくりを進めるため」どのような改善をするのですか。
 西尾は全国的にも有名な植木の産地です。樹木医始め専門家がたくさんおられるはずではありませんか。土壌や地下水脈などを考え、その場所場所にあった樹木を選び、守り育てて、緑豊かなまちにするのか。はたまたこのまま、棒っくいだらけのまちづくりを続けるのか、20年30年先の西尾市を考えて、具体的な方策をご答弁いただきます。

質問要旨
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      市の緑化計画の進捗状況はどのようですか。

      市内の緑の量に大きくかかわる街路樹の育成計画はどのようです

      か。

      数年来、市民から、街路樹を丸坊主にし過ぎるとの指摘を受けな
      がら、一向に改善がされないが何故なのですか。

      他市では、高木は、電線の上まで伸ばす剪定方法で緑のボリュー
      ムを確保しています。西尾は植木職人の町なのにそれができない
      のは何故ですか。

      県の担当課では、豊田・岡崎・豊橋からは、県道については、な
      るべく剪定しないで欲しいとの要請があるので、そのように対応
      している。また、中電もそれに準じているとのことでした。
      何故、西尾ではそれができないのですか。

      樹木医に、街路樹・公園の樹木の定期健診をしてもらい、樹木の
      枯死を防ぐべきではありませんか。


 以上、私の登壇による質問といたします。市長の責任ある答弁を求めます。