平成15年6月議会一般質問

                                                                 議席番号9番 鈴木 規子

 木々の緑が爽やかな季節になりました。 
 私は、今6月議会にあたり、教育と環境の面から、市民サービスの向上と持続可能な資源活用型社会をめざすための3議題を取り上げ、一般質問といたします。
 議題1は、図書館を通じての市民サービスの充実について、議題2は、廃棄焼却炉のダイオキシン対策について、議題3は、ごみ問題への取り組みをお尋ねいたします。
 議題1は、図書館を通じての市民サービスの充実についてです。
 市民への文化・教養・学習面のサービスとして、大きな役割を担うのが図書館であります。近年、図書館の機能は、資料提供・情報提供の基盤としての役割に期待が大きくなっています。単に新刊本を提供する貸し出し業務だけではなく、市民への知的財産の集約としてのレファレンスサービス(情報提供・調査)への比重も増えているものと思います。
 その意味で、西尾市の図書館行政は、決して充分であるとは言えません。この10年、図書館への予算は一向に増えておりません。人ももちろんですが、図書購入費も寂しい限りです。全国図書館協議会の調べなどでは、市民1人当たり700円が望ましい額といいますが、今年度のわが市の予算では1人わずか230円でしかありません。購入費増額は、かねて議会から指摘をされているにも拘らず、市長は、まったく顧みようとなさらないのはいかなる理由なのかをお尋ねいたします。
 ちなみに、近隣をみてみますと、刈谷市がちょうど倍の460円、碧南では3倍、670円です。
 また、開館時間について言えば、先年、ようやく夏期の時間延長にこぎつけたものの、まだまだ市民のニーズに応えた市立図書館とはいえません。県内でも多くの公立図書館が夜間開館をしているなか、わが市においては、依然として9時から5時まで。
働いている市民の多くは締め出し状態であり、使うなと言われているに等しいのです。図書館によく行くとおっしゃる市民に聞くと、西尾ではなく碧南、あるいは刈谷の図書館を利用しているといわれます。私は、これを非常にくやしく、また残念な思いで聞いております。
 3公民館には、図書館分室ができました。長い間、市内には鶴城の本館1館だけでしたから、地域の方々には朗報です。しかし、各分室の図書には入れ替えがありません。1万冊前後の蔵書、それも固定され、変化のないものでは、利用はすぐ頭打ちになってしまうのではありませんか。銀行や郵便局の待ち時間つぶしのコーナーですら入れ替えがされるですから、相応の内容を考える必要があるのではありませんか。
 検索して下さい、本館から送ってもらって下さいというのでは、2昔前のレベルでしかないことを市長はご存知でしょうか。それも配送は、現在週1回しかありません。文化きらめくまちを標榜するならば、まず、多くの市民に、多くの本を手にとって、見て、選べる環境を整えていただかなければなりません。スペース的に蔵書にも限りがありましょう。分館ではなく分室となっているのも理由あることでしょう。今後の図書館計画のなか、その位置づけをどのように考えておられるのか伺います。
 また、公民館自体はせっかく夜9時まで開いており人もいるのに、図書室は5時には閉まってしまうという、非常にもったいない話です。
 図書館がどれだけ充実し、利用されているかは、そのまちの文化レベルの指標であると例えられます。財政は厳しい折ですが、私は、そうした時ほど、市民の知的文化的向上に目を向けるべきであると考えます。市長には、この点をどのように理解して下さっているでしょうか。市民要求をどのように考えておられるかを伺います。
 また、次代を担う子どもたち、特に、中高大学生などが使える施設は、西尾の場合、決して多いとはいえません。そんな中で、図書館の学習室はよく利用されていると思うのですが、曝書期間中は閉鎖されています。工夫次第で、使用は可能なのではありませんか。ちょうど高校では、試験期間とも重なります。私のもとには使わせて欲しいという子どもたちの声がたくさん寄せられていますが、市では、どのように捉えておられますか。
 

質問要旨
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他市と比べ、西尾市の図書費は3分の1しかない。もっともっと図書購入費を増額するべきではありませんか。

市立図書館の開館時間を市民ニーズに合わせ、延長するべきではありませんか。
公民館内の図書館分室では、公民館開館時間中は利用できるようにすべきではありませんか。
本館との図書の入れ替え状況はどのようですか。

曝書期間中でも、学習室は利用できるようにするべきではありませんか。


 では、議題2に移ります。

 近年、ダイオキシン汚染、特に閉鎖焼却炉の汚染が大きな社会問題となっております。大阪府豊能町のごみ焼却施設のダイオキシン汚染は、皆さんの記憶にも新しいところと思います。
ダイオキシン類対策特別措置法の施行によって、規制は厳しくなりましたので、今後の発生については一定程度安心してよいかと思われますが、しかし、これまで使用されてきた大小の焼却炉についての問題はまだ残されたままです。
 解体処理にあたって、汚染土壌の調査・被覆措置、炉内処理にあたる作業者の安全管理など、2次被害を出さないよう慎重な対応が必要です。
 わが市では、善明の旧クリーンセンターの状況が気にかかるところですが、管理棟付近での土壌調査・神明川の水質調査では、今のところ危険な数値は出ておらず、この夏には解体申請の認可がおりる見通しとのことですので、今後の対応を注視してまいりたいと思います。
 さて、市内の他の焼却炉についてはどうでしょうか。
 小中学校では、特別措置法に従って12年から、すべての焼却炉の使用が停止されました。しかし、その後、いくつかは撤去されたものの、多くは放置されているのが現状です。
 その折の通達を見ますと、火床面積0.5u以上、または焼却能力50kg/時間以上の焼却炉を対象に、年1回以上の排出ガスとばいじん及び焼却灰等についてダイオキシン類の測定が義務付けられるとあります。禁止後、これら焼却炉の測定調査はなさいましたでしょうか。使わないことにしたから、検査はしなくても構わないということにはならないと考えますが、いかがでしょうか。
 焼却炉は、子どもたちがごく日常的に接する場所に今もあります。私も何箇所か、見てまいりましたが、みな、使っていた時そのままに放置され、赤く錆付き、腐食しています。炉の中には、枯葉等が入れられているところもありましたし、1年生の子などであればもぐり込めそうなところすらありました。どこも、危険表示はありませんでした。
 汚染灰、汚染土壌の危険性によって使用禁止となった炉であります。子どもたちが触れないように、相応の措置を講じるべきではありませんか。きちんと測定がなされ、とりあえず数値で、安全が確認してあるならばともかく、現状は大問題であると言わざるをえません。
 今年2月、福地北部小学校で、学校焼却炉を活用して、子どもたちが地域の人と竹炭を焼いたとの報道がありました。子どもたちも参加して、炉を改良したとのことです。地域との連携は非常に結構なことですが、焼却炉がなぜ使用禁止なのかは考えられなかったのか、安全管理・健康管理に無神経過ぎはしなかったでしょうか。
 まずは、焼却炉の安全性の確認、そして速やかな撤去を求めます。
 市民病院では、昨年秋、基準値以上のダイオキシンを発生させていた焼却炉が閉鎖され、解体処理されています。こちらは数値が数値でしたから、閉鎖から時を置かずの撤去は当然ですが、跡地の安全管理はどのように行われていますでしょうか。
10万市民の健康を預かる病院にかかることでございますので、きちんと確認をさせていただきます。
 また、同様に、市内に点在するであろう各事業所が使っておられる小型焼却炉については、どのように、その安全性について管理監督、あるいは指導しておられるのか、お尋ねいたします。
 市民の健康と安全を守る市としての責任、市長のお考えを伺います。


質問要旨
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各小中学校の焼却炉は閉鎖され、2年以上放置されたままですが、安全性に問題はないのですか。ダイオキシン数値、解体処理計画はどのようですか。

市立病院の焼却炉の解体はどのように行なわれたのですか。
ダイオキシ
ン対策、跡地の安全性は充分ですか。

市内各事業所の閉鎖焼却炉に問題は発生していませんか。ダイオキシンの測定等、安全管理・指導はどのように行っているのですか。

 
 以上3点を質問して、議題3に移ります。ごみの資源化促進策と減量対策についてです。
 今年度は、ようやくプラスチック類の分別収集が始まります。これを機会に、さらに、 『混ぜればごみ、分ければ資源』というキャッチフレーズを行き渡らせ、市民の皆さんがこぞって、ごみの資源化、減量化に行動を起こして下さるよう、具体的なモデルとして、エコステーションの設置を考えませんか。
 数年前から、市では、小学校単位に資源回収倉庫をつくられました。ところが、昨今の治安の悪化などから、施錠されてしまうところがほとんどとなってしまい、せっかくの倉庫が使いにくくなっているのが実情です。
 かたや、町内によっては、町を挙げて資源としての回収を進めているところもあります。徳次町では、幹線道路に面した町の共有地に倉庫を建て、年末年始以外は何時でも人がいて、資源ごみを受け入れるようにしています。最初のうちは、老人会がボランティアで監督整理をして下さっていたけれども、補助金と収益2年分で収集場所の整備費を回収し、現在では、老人会が委託事業として収入を得るまでになっていると聞きます。私も時々見に行きますが、分類も整然としており、近隣町内の方々からも大変好評であるのが頷けます。ここには、生ごみ処理機も併設したいとの希望を持っていらっしゃるという話も聞いています。そうなれば、まさに、北欧のような、常設のエコステーションということになります。市として、こうした町内会単位の整備をどんどん進めるべきではありませんか。また、公民館など、管理する人がいる市の施設であれば、同様の整備ができるのではありませんか。
 また、環境意識を子どもたちの共通認識にする意味から、学校に生ごみ処理機を置きませんか。食物連鎖を、実際に目で見て、手にして覚える。これも総合学習、体験学習そのものであると考えますが、いかがですか。
 ごみ問題について、多くの市民の皆さんは自分の問題として捉えて下さるようになっていると思いますが、反面、まったく無頓着な不法投棄もあります。
 昨年が164件、一昨年が145件といいますから、担当課は、2日に1回は片付けに走り回っている勘定です。汚しにくくなるよう場所の再設定をしたり、自発的に管理や掃除をして下さる市民の方々のご協力をもってしても、その努力には限界があります。業者の不法投棄や確信犯的な捨て方など、悪質なものは厳重にチェックして、対抗策を講じるべきではありませんか。そうでなければ、善良な市民のやる気をそぐ結果にすらなりかねません。実際、私は、そうした声を聞いてもおります。
 資源化・減量化、そして不法投棄対策にと、「古くて新しいやり方」に切り替えたところもあります。東京の日野市、青梅市では、ごみ回収の有料化と同時に、ステーション方式から各戸別に収集の仕方を変えました。日野市では1年間で50%もの減量を達成しています。市長を先頭に延べ600回以上に及ぶ説明会、そして、減らせばお金がかからないという、市民の財布に直結する問題提起、ごみを出すのは自分の家の前という排出者責任がこの成果に結びついたものでしょう。名古屋市始め多くの自治体が示す指定袋制の減量実績はよいところでも25%程度といいます。西尾市でも指定袋導入時の減量率は10%でした。しかし、翌年には、また増え、昨年はほぼ元に戻ってしまっています。単に指定袋だけでは、市民の減量意識形成にまで至らないことは明らかです。私は、この50%の減量は驚異的な達成度であり、傾聴に値するものと考えますがいかがですか。
 経費面、環境面、処理、どれをとっても、ごみ問題は今後も負担が増加するばかりです。長期的な展望をもって、資源化と減量化の効果をきちんと説明し、市民が面倒がらずに分別とコスト意識を高め、行動するための工夫が今こそ必要であると考えますが、いかがですか。有料化については、市長もすでにお考えになっておられるはずです。どのように具体的に煮詰めておられるのかお尋ねします。

質問要旨
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常設型の資源ごみ回収拠点(エコステーション)を設け、大型の生ごみ処理機なども設置してはどうですか。
環境教育の一環として、学校に、給食残菜を肥料化する処理機を設置し
ませんか。
不法投棄が増加しているが、どのように対策を講じているのか。移動式
監視カメラの導入を考えませんか。
減量と不法投棄に大きな効果のみられる各戸収集方式を採用しません
か。