1999年12月議会 一般質問
 @ ごみ指定袋制と資源ごみの分別収集実施状況について
 A 介護保険条例について

      〔1番 鈴木規子 登壇〕
◯1番(鈴木規子) いよいよ1999年最後の議会となりました。来るべき2000年、新しい世紀に向けて地球という船を人類がどうかじ取りしていくかが、まさに問われようとしているときであります。21世紀は、環境と福祉の世紀と言われています。
 私は、今議会では、私たちの一番身近な環境問題であるごみについて、そして来年4月の施行を前に介護保険条例についてを質問いたします。
 環境と福祉は、市民が安心して暮らせるまちの基盤となるものであります。市長は、この2つの基盤整備について、これからの西尾市をどうかじ取りしていかれるのか基本方針を示すべきです。そして、それをいつまでに、どのように実施するかというタイムテーブルも合わせて市民にお示しいただかなければなりません。
 さて、市長は、この10月1日からごみ指定袋制を始められました。導入の理由は、廃棄物の分別意識の向上及び減量化を図るためということであります。始まって、ちょうど2カ月が経過しましたが、ごみの搬出状況はどのように変化しておりますでしょうか。また、指定袋の使い勝手に関する市民の声はどうでしょうか。市民の理解と協力は十分に得られていますか。導入後の状況について伺います。
 資源循環型社会を目指したごみの減量、分別は、待ったなしの最優先課題として我が西尾市でも積極的に進められているところです。にもかかわらず、ごみの総発生量はこの10年で17%増加し、処理費、施設の維持管理費は年間10億円に及んでいます。これ以外にも、広域圏組合とはいえクリーンセンター建設には 122億円がかかっていますし、平原の一般廃棄物最終処分場建設には13億円余を投入しているわけですから、ごみ処理にかかる全体費用は莫大なものになります。
 最終処分場は日々刻々埋め立てが行われており、いかに延命を図るかは大きな課題と言わねばなりません。名古屋と違って西尾市には土地があるからいいわという次元ではないわけで、環境の面からも、財政面からも、心ある市民は減量と分別促進のための市の積極的かつ具体的な方策を求めております。
 今回、市民へは指定袋制を通じての呼びかけがなされたわけですが、多くの市民は半透明の袋をきっかけに改めてわが家のごみ内容を見直し、1、まず、ごみを減らす。すなわち、ごみになるものは買わないこと。そして、2つ目として再利用、すなわち分ければ資源、まぜればごみの認識を高めてくださっているはずであります。しかし、その受け皿となる市の分別は10種類からふやされておらず、とても十分とは言えません。4月からの指定袋制完全実施に向けて、高まった市民意識を受けとめるだけのものにふやさなければならないのではありませんか。消費者がごみになるものを買わなくなれば企業もごみになるものはなるべくつくらない、使わない体制に変化するはずです。以前からも指摘があった企業、店舗への働きかけはどうなっていますか。包装材やレジ袋など、企業、店舗自身のごみ減量努力をもっともっと呼びかけるべきではないでしょうか。
 市民は、口々に「週2回、燃えるごみを出すのと同じぐらいの感覚で資源ごみを出せるようにしたい」と言っておられます。その意味では、もはや資源ごみなどという言い方をしてはいけない、回収できるものはごみと呼んではいけないというところまで皆さんの意識は高まっていると言っていいでしょう。西尾市の平成10年度調査によれば、燃えるごみの内訳は、紙類が49.7%、繊維類 2.5%、プラスチック類16.4%、生ごみ19.7%、不燃物類 9.6%、木や草の類が 2.1%ということです。また、燃えないごみはどうかと言いますと、缶・瓶が18.8%、金属類が21.6%、ガラス類 7.5%、プラスチック類12.6%、土や灰などが33.7%、その他可燃物類 5.8%となっています。となれば分別回収の種類をふやすことで、燃えるごみの場合で言えば紙、繊維、プラスチックの合計69%が資源となります。燃えないごみの場合でも、同様に少なくとも半分はすぐにも資源化の対象にできるはずであります。そして、減量、分別を実行すればするほど、ごみ袋は小さいもので済むことになります。ひとり暮らし、夫婦2人だけのお宅は言うに及びません。
 ことし7月から、全市域で紙類の月2回、回収を始められたことは大いに評価できるものです。せっかくですから、ただ紙類と大きくくくるだけでなく、ステーションでは新聞、雑誌等々と細かく分けて出せるようにすれば、さらに効果が上がるのではありませんか。空き瓶にしても、現在使っているかごに透明、茶色など色別標識をつけるだけで、さらに細かく分別が進むはずです。ポイントは、排出の第1段階でできるだけ分けること、回収の種類と出し方をきちんと理解していただけるような形で確実に市民に情報を届けること、それによってこれを定着させることであります。
 2000年4月からは、容器包装リサイクル法が完全施行されます。プラスチック類の回収にも、いよいよ取り組まなければなりません。国は、企業の生産者責任に伴う製品の再資源化と回収ルートの整備をさらに進めなければならないわけですが、そのためには各自治体もただ国の指針を待つだけではなく、自身が自治体内でも資源のリユース、リサイクルの輪が完結するシステムづくりを図っていかなければなりません。地方分権の目指すべき姿は、まさにここにあるはずです。
 私は、この11月、北海道伊達市を視察してまいりました。既に、数年前に行かれた議員もおいでと聞いておりますが、伊達市は平成元年に全国に先駆けてごみ処理の有料化を導入、説明会は全世帯に対して行われ、同時に分別の徹底と市民の集団資源回収を奨励し、成功したことで知られています。人口 3万 5,000の町ですが、平成10年の決算で手数料収入は約 7,500万円とのことでした。また、昨年からプラスチック類の分別回収も開始しているとのことです。
 当時のごみ有料化は、市長の政治生命をかけての決断であったと聞きます。しかし、それから10年、時代は変化するのです。いかに現状をとらえ、将来を見通した政策を示すことができるか、分権時代の首長に求められるのは、まさにこの点ではないでしょうか。西尾市でも、いずれ近い将来、有料化の検討が行われることになります。既に、今回の指定袋制を一部有料化ととらえる向きもあると聞きます。市民の理解と同意を得るには、日々のごみ行政が市民の皆さんとともに歩むものでなければなりません。わかりやすいごみ情報の提供、不法投棄への対策、減量への具体的提言は市民だけでなく企業、店舗など、事業者へも働きかける等々、これだけ努力して市は私たち市民のために働いてくれるのだと、市民の皆さんが納得してくださる西尾市のごみ行政となるために、次の12項目について質問をいたします。
1、指定袋の使用率、使用状況はどうですか。排出量に変化は見られますか。

2、試行後、市民からはどのような声が届いていますか。

3、指定袋内の資源ごみの混入の程度はどうですか。混入率に変化はありましたか。

4、指定袋は可燃、不燃とも容量の少ないものをつくることを考えませんか。

5、販売店によって指定袋に格差があるが、価格は一定であるべきではないですか。

6、剪定した枝など、指定袋に入れにくいもの、袋に入りきらないもののために指定袋にかわる指定シールをつくってはどうですか。

7、わかりやすい分別と市民の意識向上のために、50音別のごみ分別の手引きをつくってはどうですか。

8、ペットボトル、トレー、小金属など資源ごみの回収品目、ルートは今後どのような計画でふやす予定ですか。

9、スタンプ制度を始めた店舗もありますが、レジ袋減量のための業者との協議はどのように進んでいますか。

10、ダイオキシンの発生原因となるビニール、プラスチックについての回収はどのように進める計画ですか。

11、不法投棄対策は、具体的にどのように行うのですか。

12、転入者、外国人住民にはごみ袋の現物、地区のごみステーションの場所と時間の案内を渡し、分別の仕方をビデオで見せるなどの方法できめ細かく具体的に情報を届け、周知と徹底を図るべきではありませんか。

 次に、介護保険条例について質問いたします。
 自治体は事業を行うとき、まずその実施の根拠法となる条例をつくらなければなりません。どんな事業内容でそれを行うのか、まちの将来をにらみながら計画を立て、それに沿って条例をつくっていきます。
 介護保険については来年4月から実施が決定していますから、このための条例は、本来であれば今議会に上程、4月までの告知期間が設けられてしかるべきですが、諸作業がおくれ、いまだ整わない状況です。しかも、ここまで間近になってから政府見直しが行われるというありさまで、被保険者である市民も、保険者である市町村も、介護保険そのものに大きな不安を抱くことになってしまいました。しかし、それでも制度自体は4月からの実施が決まっています。保険料徴収も、時期がずれるだけで行わなければなりません。制度にいろいろ問題もありますけれども、ともかく実施されるのですから、市としてはできる限り市民の側に立った条例、内容を整えなければなりません。このようなときだからこそ市民はなおのこと、地方分権のモデルとしての本来の趣旨に即した条例制定を求めているのです。
 介護保険制度は、これまで措置制度としてお上からのお与えで、一律に決められていた介護サービスを社会保険方式、本人の費用負担、契約による購入で行うという制度変革です。サービス提供には民間事業者が新たに参入しますから、保険者となる市町村には、これまで以上にその管理監督責任が要求されることになります。ですから、この制度がこれからの高齢社会を支え、西尾市をして住民が安心して暮らせるまちにできるかどうか、まさに条例のできいかんにかかっているのです。私たち住民が安心して、これからの西尾市の介護サービスを市に託せるようにするためには、条例に住民の声、介護現場の声が十分に反映されなければなりません。
 介護保険法を見ますと、誤った介護認定や保険給付、保険料に関する処分については介護保険審査会に、そして日常的なサービスについての苦情は国民健康保険団体連合会に申し立てができることになっています。しかし、これらはいずれも県の窓口で、西尾市民からは遠い存在です。市長は、この問題点をよく理解しておられ、さきの6月議会での私の一般質問に対して、西尾市は西尾市民のためにそうした窓口を独自に設けると断言されているのは大変に心強く、評価申し上げるものです。
 まず、住民からの相談、苦情についての窓口は常に開かれ、気軽に使えるものでなければなりません。特に対象となる人は高齢で、生活一般についての介助を必要とする方々ばかりなわけですから、十分に説明を受け理解をしていただけるような、より配慮した体制がいります。また、たらい回しにされることなく1カ所で事が足りるのは当然です。
 2点目としては、適正なサービスの質が維持されているかどうか、全体にわたって点検、評価するシステムが欠かせません。これは、サービスの利用者、従事者による自己点検評価だけでなく、第三者による点検評価がなされることが重要です。特に施設などのサービス改善に生かすためには、中立性、公平性を確保できる施設オンブズパーソン制度が求められます。また、市が行う事業全般についてもチェックする第三者機関があるなら、西尾市の介護保険はより充実したものとなることは間違いありません。
 今回、西尾市では、公募の市民を含めた介護保険事業計画策定委員会が事業計画の策定、実施にかかわることで住民参加が図られてきました。私は、これを生かし、市の介護サービスを集約する意味で総合介護市民協議会とでも言いましょうか、市民、被保険者、現場の意見を反映する組織、制度を設けるべきと考えます。申し上げたように不確定要素を抱えながらの出発であるからこそ十分な条件整備を進めることで、市民に安心と信頼を感じていただくことが、今、最も重要であると思います。市長は、昨年の視察でドイツの介護保険制度を見聞しておられ、ドイツの制度が黒字計上であり、住民の意見を組み込む面においても優れていることをご存じのはずですから、国が示す準則どおりではなく、我が市独自の市民本位の条例制定をお考えくださるはずです。わが市の介護保険制度が住民自治、地方分権を進める優れた西尾市総合介護保険条例となることを期待して、次の3点を質問いたします。
1、相談及び苦情処理については条例に明らかにしますか。

2、介護保険全般について、条例中に監視する第三者機関を設けるべきではありませんか。

3、介護保険実施後、被保険者、市民、現場の意見を反映する制度を設けるべきではありませんか。
以上です。